V型6気筒

ブログ:フェラーリ Dino 206GT カムカバー

2012/10/05

ひょんなことから在庫することになってしまったフェラーリ Dino 206GT 用のカムカバーです・・・

以前あるお客様からアルミ製のカムカバーの依頼がありました。

Dino 206GT のエンジンにはマグネシウム製のカムカバーが使用されていますが、マグネシウムなので将来腐食の心配があり、出来れば 2.4L のエンジンに使用されているアルミ製に交換したいとのことでした。

しかし 2.4L 用のアルミ製カムカバーも新品での供給は当然ないですので、しばらく色々と情報を集めてみました。

するとヨーロッパの某専門店にカムカバーの情報がありましたので、早速連絡をしてみました。

過去に何度か取引のあるお店でしたので担当者に直接カムカバーの内容を確認したところ、アルミ製のリマニュファクチャーとの回答でした。

リマニュファクチャーの解釈は一般的には新たに製造された商品ですが、当時のオリジナルの製造メーカーが作った物ではないですので極端な話、社外品です。

お客様からは社外品でも OK との確認が出来ていましたので、早速購入しました。

 

数日後、商品に比べると明らかに大き過ぎるダンボール箱(苦笑)に梱包されたカムカバーが到着しました。

中身を出してみると・・・ん!?軽いぞ・・・?(汗)

さらに裏側を見てみると・・・中古?(汗)

なんと送られてきたのは何を隠そう、今回ご紹介致しますマグネシウム製の中古品でした!!

アルミ製と比べると明らかに重量が違います、さっすがマグ!!と喜んでいる場合ではなく、なぜこれが送られてきたのか理解出来ません・・・

裏側には Dino 206GT 用と判断出来る「FIAT 135B」の刻印が、おまけにご丁寧に品番まで刻印されています。

表面は黒色でコーティングが施されていましたので表面を見る限りは疑いがなかったのですが、裏側をみれば明らかに中古と判断出来ます。

商品が届いたのが午前中、ヨーロッパが朝になる夕方までにはまだ数時間あります。

連絡をしたいのですが、ヨーロッパはまだ夜中・・・イライラと何故これが?といろいろと考えながら夕方まで他の仕事をこなしていきました。

 

夕方、早速現地に連絡をしてみると下記のような回答が・・・

ここからはその時の会話をちょっと大げさに表現します。(A = 私、B = 現地担当者)

 

A 「今日カムカバーが届いたけど、アルミじゃなくてマグじゃん!!おまけに中古だし!!」

B 「それレアでしょ?」

A 「レア?・・・確かにレアだろうけど、こちらの依頼はアルミ製!!」

B 「マグ製はレアだから、こっちの方が喜ぶかと思って!!」

A 「何言ってんの?アルミ製注文したんだからアルミ製早急に送ってよ、マグは送り返すから!!」

B 「アルミ製はないよ?」

A 「は~?アルミ製あるって最初に言ったじゃん!!」

B 「アルミ製はない。」

B 「なんでアルミ製に拘るの?マグが腐食すると思ってんの?」

A 「そんな話をしてるんじゃない!!とにかくアルミ製を注文したんだからアルミ製を送るのが当たり前だろ!!」

B 「私はこのマグ製で十分だと思うけど・・・」

 

このような会話が続きましたが、結果的に話にならない状況でした。

とりあえずアルミ製が無いことは分かりましたので、その旨お客様に報告。

マグのカムカバーは返品したかったのですが、相手が自分たちが間違っていたと認めない為、返品は拒否!!

仮に勝手に送り返してみても、返金されないので送り返すだけ損・・・

 

ここのお店は過去にもウォーターポンプでもめたことがあります。

その時も Dino 206GT 用のウォーターポンプハウジングを送ってきたのですが、2.4L 用だと言い張ります・・・

裏側に 135B と刻印がありましたが、2.4L にも時には 135B と書かれたウォーターポンプが付いてることもあると、訳の分からない言い訳をしていましたが、それは言い訳ではなく本当にそう信じているみたいです・・・

ここまで話すと、分かる人にはどの国のどのお店か分かってしまう?かもしれませんが、それくらい外国人と取引をするには時にはものすごいエネルギーが必要と言うことです・・・

結果的にこのマグネシウム製のカムカバー(中古)は日本国内で販売することに決定しました。

長い話で失礼しました・・・

 ちなみにこちらの商品はヤフーオークションにて出品中です。